アメリカ訪問 概要  NO2

1月19日~22日(アメリカ)

第8回草の根国際交流 青い目の人形アメリカ訪問使節団 記念誌より

英治先生のアメリカからのメール記事を中心に編集

 

1月19日 【アメリカ】

ホームステイ先から子ども達は登校した。子ども達の表情を見るとまだ固さが見えるが、ホームステイ初日をなんとか乗り切った様子だった。今日は9時から11時までホームステイ先の子どもと一緒にウィンザー小学校で授業を受けた。算数、図工など楽しみながら田峯の子も取り組んでいた。

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その後シカゴ総領事に向けてバスで出発。このときに谷高座の人たちと合流した。久しぶりに見る顔にほっとする。また、佐藤昌三先生も平松さんとともにウィンザー小に来てくれた。子ども達1人ひとりに声をかけ、「車引きでどの役をやるの?」と聞いてくれた。子ども達には佐藤先生が歌舞伎を翻訳してくれることを伝えてはいたが、いまいち名前と顔が一致しない様子だった。

シカゴ総領事はシカゴの北側、エバンストンにありウィンザー小から1時間弱のところにある。総領事に着くと、岡村総領事が歓迎の言葉を言ってくれた。田峯の歌舞伎について触れ、長く続いた伝統芸能をアメリカの地で見せてくれることに誇りを持っていると子ども達に伝えてくれた。

その後昼食会を開いてくれた。久しぶりの日本食にみんなも喜んでいた。児童代表として児童会長の田村壮君がお礼と歌舞伎、学校交流、ホームステイを頑張ることを約束した。

シカゴ総領事からウィインザー小に帰校後、各ホームステイ先へと子ども達は向かっていった。昨日のような不安げな表情は見られず、笑顔で学校を後にした。

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1月20日 【アメリカ】

今朝は曇り空。寒いには寒いが、昨日ほどの冷え込みではなかった。しかし、午前中から雪が降り出し、夜には10センチ以上の雪が積もった。歌舞伎1回目に雪が降るのも、日本から田峯観音様が喜んでいるのが伝わっているのだと勝手に解釈。

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今日もみんな元気にウィンザー小学校に集まってきた。ホームステイ先でもうまくやっている様子。昨日は遅くまでゲームをしていた家もあったようだ。子どもよりも大人の方が時差ぼけがひどいようだ。といっても女性陣はぐっすり眠れたとのこと。真夜中に目が覚めるのは男性陣。女性の方が肝がすわっていて、男性は繊細だということで・・・。

今日は2回目の学校間交流の日だった。午前中、幼稚園から2年生までの6クラスに日本の伝統的な遊びを紹介していった。また、この日は佐藤昌三先生の習字の授業もあった。(それに田峯の子は参加せず)前回よりも説明の仕方を改善したので、みんな日本の遊びを楽しむことができた。紙風船や万華鏡なども小さい子ども達には楽しいようだった。今回感じたのは、遊び方の説明が難しすぎた。田峯の子ども達は一生

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懸命覚えて言えるようにしたが、もとの原稿を考えているのが大人なので、幼稚園や低学年には難しい。それよりも実際に見せてやった方が素直に感動してくれる。そして説明よりも大切なのは、その後にアメリカの子にどれだけ積極的に関わって教えることができるかだと思う。今日の子ども達の様子を見ていて「言葉の壁」よりも「心の壁」だと感じた。

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第1回目の歌舞伎はサウス中学校で行った。久しぶりの歌舞伎で、緊張気味だった。佐藤

昌三先生のナレーターに合わせて、練習の成果を出すことができた。特に子ども達は、緊張

の微塵も感じさせない堂々とした演技だった。会場に声が響き渡っていたし、所作も綺麗にできていた。アメリカの子も仕丁として4人参加。物覚えの良い子たちで、数回の練習ですぐに所作もできるようになった。会場の人たちは「素晴らしかった!」と絶賛してくれた。車引きの準備が遅れてしまい、吉野山野後にすぐ見せることができなかった。そのできた合間を使って昌三先生が歌舞伎のせりふや所作についてのミニ講演を開いてくれた。うちのホストファミリーはそれを聴いて、車引きがよくわかったといっていた。7時に開演したが、ウィインザー小副校長(ジニー)、サウス中学校校長、アーリントンハイツ教育長、田峯小学校校長、シカゴ総領事岡村氏の挨拶で30分以上かかった。吉野山が終わったのが8時過ぎで、車引きが始まったのが8時40分頃だった。従って全てが終了したときには10時くらいになっていた。子ども達は一緒に見てくれたホームステイ先の人と帰っていった。今日はみんな疲れた様子だったので、早く寝ることだろう。

明日はホームステイ先の人と別れて、シャンぺーンへ移動する。シャンぺーンまではバスで3時間ほどとのこと。ちょっとした小旅行だ。イリノイ大のクラナートセンターはとても大きなホールで立派だと聞いた。今日できなかったことを考え、もう一度気持ちを引き締めなおして次の歌舞伎につなげていきたい。

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1月21日 【アメリカ】

 

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訪米便りを見ていただいている人にお詫びしたいのが、更新が不定期になってしまっていることです。日本から持っていったパソコンをホテル、学校、ホームステイ先とさまざまな場所でインターネット接続していますが、うまく接続できる場合とそうでない場合があり、不定期となっています。今後も更新が遅れたりすることもあると思いますが、よろしくお願いします。

さて、今日はホームステイ先の人と過ごす最後の時間だった。お昼の12時にウィンザー小学校に集まってきた。消防署の見学に行った子どもたちもいた。ホストファミリーごとに思い思いの過ごし方をした。この頃にはみんな英語にも慣れ、ずいぶん聞き取れたり、話したりできるようになってきた。ウィンザー小学校から、この3日間の様子を撮った写真集がプレゼントされた。ホームステイ先の人からの手紙なども着いており、活動の様子がよく分かるものになっている。日本人側からもお礼の意味をこめて子どもたちが一人一言ずつ感想を言った。もちろん日本語だったが、私の下手な通訳でも気持ちは相手に伝わったと思う。

学校から離れていくバスを、ウィンザー小学校の前でずっと手を振り続けていてくれた。3日間、本当にありがとうございました。

ホストファミリーとの別れをし、一行は一路イリノイ大学のあるシャンペーンを目指した。ハイウェイを使って3時間、どこまでも続く平らな土地で、まるで北海道を思わせる農場が広がっている。山は見えず、360度地平線が続いている。シャンペーンはものすごく大きな街で、街の中に大学があるのではなく、街全体が大学といった感覚の場所である。

clip_image042街の中には飛行場や発電所まである。バスの中で昌三先生が子どもたちに街の様子を説明してくれた。「二度と目にすることはないかもしれないから、しっかりと見ておくように」とお話があった。

谷高座の人たちがクラナートセンターで準備をしている間、子どもたちは大学内の日本館という場所に見学に行った。昌三先生やほかの教授の人たちの努力によって建てられた建物で、和風のつくりになっている。日本館に入るとお茶をたててくれた。お茶をたててくれたのが、着物を着たアメリカ人男性だった。ホームステイ先の人のように解放的なアメリカ人もいれば、この男性のように繊細な感覚を持つアメリカ人もいて、いろいろな性格の人がいるんだなと改めて思った。

この日の夕食は日本食の店「鎌倉」へ行った。鉄板焼きの店で、店員さんが目の前でパフォーマンスをしながらお肉やエビ、野菜、チャーハンを焼いてくれた。目の前に上がる火柱に思わず子どもたちも「おーっ!」と歓声を上げていた。食べきれないほどの夕食後、ホテルに到着。明日はいよいよクラナートセンターでの歌舞伎公演である。訪米最後の公演でもある。サウス中学校とは逆の順番で車引き、吉野山を15:00より上演する。子どもの後のほうが緊張すると谷高座の人が言っていた。クラナートセンターはアメリカの中でも有名なホールのようで、500~600人くらいの観客は収容できるようである。まだ子どもたちはホールの様子を見ていないが、谷高座の人たちは「とにかくすごい!」と絶賛していた。明日はいよいよ、訪米の目的の最後の日。みんなで楽しくアナハイムに行けるようにがんばって来たい。

1月22日 【アメリカ】

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  シカゴ、シャンペーンは冷たく強い風が朝から吹いていた。朝食後、いよいよクラナートセンターへ向かった。しっかりとした楽屋が完備されており、会場自体もとても大きく1000人以上収容できるそうだ。11時頃からリハーサルを始める。たち位置や音響のバランスを確かめる。声が響く会場のため、いつも以上に声が出ている感じがする。それが気持ちよくて広大君や康佑君はさらに声が大きくなる。しかし、壮君のせりふや所作にキレがなく、体調が悪いのかとみんな心配する。本人は大丈夫だとのこと。支度部屋で昼食を食べ、いよいよ本番へ。

3時に開演。佐藤昌三先生の話の後、日本から持っていったお土産をすでに桜丸、松王丸になった壮君と克希君がイリノイ大学と日本館の代表者の人に手渡した。さあ、いよいよ本番。観客は300人以上。練習で心配した壮君もいつものように落ち着きを取り戻し、本当に今迄で一番よい車引きを披露することができた。上演後の一人ひとりの挨拶もお客さんにしっかりと伝わり、拍手喝采を受けた。子どもの出来がよかっただけにプレッシャーのかかる吉野山だったが、こちらも

逸樹君、希世美先生のきれいな所作に加え、利一さんの藤太率いる花四天もうけていた。

大成功のクラナートセンター公演でした。子どもたちのがんばっている姿を舞台袖から見て目頭の熱くなる思いでした。シャンペーン~シカゴの3時間のバスの中ではみんな爆睡(爆酔?)でした。これで訪米の大きな目的はすべて果たしたことになります。子どもたちもアメリカにずいぶん慣れて来ました。「ありがとう」の一言がすっと出たり、マナーを意識したりと日本にいるときとまた変化が見られました。さて、明日は谷高座は帰国、本団はアナハイムに向かって出発です。本当の冬休みをエンジョイして来たいと思います。

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