山の学校・海の学校

先週の木・金曜日に、青森県で行われた「全国へき地教育研究大会」に参加してきましたので、今週のお便りは、「へき地教育」について書きたいと思います。

「へき地教育」という言葉は、一般的にはあまり使われない言葉ですが、山間部の学校や海辺の小さな学校はへき地学校に指定されており、北設の全小中学校はへき地学校です。県内では65校が愛知県へき地教育研究協議会に所属しており、北設では北設楽郡へき地教育研究協議会という組織で様々な活動に取り組んでいます。10月3日に講師を招聘して本校で行われた3・4年生の複式教育授業研究会もこの会の活動でした。

「へき地」という言葉は二つの意味をもっており、漢字で書くとその違いが分かります。

①「僻地」と書く場合は、主に生活面で不便な土地という意味で使われます。都会から遠いため、通勤・通学、仕事、病院、買い物、文化・スポーツ鑑賞などで不都合を感じる時には、「僻地」だと言われます。

②「碧地」と書く場合は、生活や環境の素晴らしさを表す意味で使われます。「碧」という文字は青や緑に輝く宝石という意味をもっているため、「碧地」は、青や緑が美しい素敵な土地であることを表す場合に使われます。

さて、教育に関しては、「僻地」と「碧地」のどちらでしょうか?

教育には、3つの原則があります。

① 教育は、知・徳・体の調和のとれた人間性を高めること。
② 教育は、一人一人を大切にして個の力を伸ばすこと。
③ 教育は、家庭、地域、学校が連携して行うこと。

「へき地」では、人間性を高めるために、心の教育を重視して様々な活動を行っている学校が多いです。また、少人数であるため一人一人が主役となって活動し、学習ではその子に合った教育活動を展開しようとしています。そして、「子どもは地域の宝」という意識で地域ぐるみの教育がなされており、学校に対する家庭や地域の協力も大きいです。

「へき地は教育の原点である」と言われるのは、この3つの原則がへき地では積極的に行われているからです。私は、教育については、「僻地」ではなく「碧地」であると思っています。

今回、私が訪問した青森県むつ市立川内中学校は海辺の学校であり、全校生徒105名の小規模校で、隣接した川内小学校と小中一貫教育を推進している学校でした。2年生の数学の授業では、生徒達は真剣な眼差しで課題に向かい、グループ学習では自分の解き方を説明し、異なる解き方を聞いて感心していました。男女関係なく和やかな雰囲気のクラスで、思考力や表現力も高まっているそうです。アトラクションでは、小学校高学年と中学生による迫力ある合同合唱を聴かせていただき感銘を受けました。

また、他県の先生方ともお話をすることができ、NASAの宇宙ステーションと15秒間交信した兵庫県の学校の話には驚きました。津具小も素晴らしい碧地教育を展開している学校です。これからも精一杯頑張りたいと決意を新たにした研究大会でした。

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