卒業式式辞

   校長式辞(全文)  ※実際の卒業式では、短縮させていただきました。 

校庭の桜も、すでに花芽を膨らませています。まるで卒業生のように、開花する力を蓄えています。

先ほど、栄えある卒業証書を授与された、14名の皆さん、卒業おめでとうございます。これは義務教育9年間を過ごした兎鹿嶋平の地からの巣立ちでもあります。
皆さんの表情の中に、中学校三か年の生活を立派にやり遂げたという大きな達成感と、新しい世界へ旅立とうとする決意を感じます。

本日は、急きょご臨席の来賓の皆様、そして地域の皆様に、厚く感謝の気持ちを表したいと思います。ありがとうございました。

卒業生の保護者の皆さん、お子様のご卒業、おめでとうございます。成長した我が子の姿に改めて感無量のことと思います。これまでに育てられたことに敬意を表するとともに、心からお祝いを申し上げます。誠におめでとうございます。

門出に当たり、一人一人の卒業文集を引用します。

寮について綴った金田怜士さん。卒寮式の続きです。
「寮母さんが心配してくれたときは家族が2つある感じがしました。高校に入ってからも、時々寮に顔を出したいと思います。寮には思い出がいっぱいつまっています。」

勉学について綴ったのは三名。
熊谷直城さん。
「3年生になり、受験生になったことで、以前と比べると自分から勉強するようになりました。分からないことがあったりすると、調べたり友達や先生に質問したりすることで、以前に習ったことが忘れていることに気づき、基礎から勉強しなおすことにしました。」
村松燦さん。
「仲間と協力しあったり、いろいろな人に応援してもらったりして勉強に励むことができました。入試までの間、周りの人の今までの経験や応援をきいてとてもうれしくなりました。だから恩返しする気持ちで自分の行きたい高校へ合格しに行きます。」
村松美祐さん。
「将来のために勉強をするんだよ。」そう言われてもわからなかったが、3年生になり受験生になってからそれがどういうことかを理解した。今では、近い将来のために頑張ることができている。もっと本気で、もっと全力で、今からもこれからもがんばろうと思う。」

駅伝部を綴ったのは4名。
清川啓太さん。
「先生から「啓太くんが引っ張って走ってくれるからみんなの力が出てきているよ。」といわれて、これからも自分が引っ張っていこうと思いました。2年のときの悔しさを駅伝大会当日ぶつけることができ、仲間と励まし合いながら乗り越えることができました。」
青山翔さん。
「応援していると最終4区の玄君が3位で走ってきました。嬉しくなりゴールに駆け寄りました。みんなでつないだ襷の重さをまた実感しました。苦しいことから逃げずに最後までやりきったときのうれしさを、駅伝を通して知ることができました。」
石田清曜さん。
「団体Aの選手に選ばれました。自分がチームの足を引っ張ってしまうのではないかとても不安でした。しかし練習のときの仲間の声かけや励ましあいで自信をもつことができました。駅伝を通して仲間の大切さを学びました。」
伊藤颯さん。
「2年のときは自分のことばばかり考えて仲間やリーダーのことを考えずに参加していました。3年になって、部長という存在の大きさや大切さを、部長になって知りました。みんなでがんばって物事に取り組めば、必ず最後には結果がついてくるということがわかりました。」

続いて部活動を綴った4名。
清川幸太さん。
「部活動でも礼儀を意識しました。剣道部では始めと終わりに礼をします。先生より先に頭を上げず、タイミングをずらして上げました。駅伝でも一緒だと思いました。グラウンドに入るまえに大きな声であいさつをしました。」
鈴木康斗さん。
「剣道部のキャプテンに推薦されてびっくりしました。次の日から、ぼくはキャプテンとして誰よりも大きな声を出しました。練習の中で試合を多くして、個人の課題を見つけていきました。」
村井駿斗さん。
「弓道に「正射必中」という言葉があります。これは正しい射法で射られた矢は必ず当たるという意味です。練習を繰り返しているうちに、筋肉もつき、肩回りもやわらかくなったことで、深く引くことができるようになりました。」
依田愛香さん。
「私は弓道をしてきてよかったと思うことがある。部がまとまらず悩んでいるときに、先生や親に何度も相談をした。結果、ミーティングで話し合い、以前よりもいい雰囲気を作りあげることができた。」

ふるさと学習を綴った富坂玄くん。
「職場体験でもいろいろなことを学びました。ぼくは森林組合で体験をさせてもらいました。そこでは豊根の間伐材でペレットや犬の形をしたイスなどをつくっていました。巻き割りや縁台づくりなどをさせてもらいました。」

先輩や後輩との関係を真剣に考えた片桐好梨さん。
「3年生が卒業し、私たちが3年生になりました。『敬語じゃなくていいよ』後輩にいったために距離が近いという問題も解決し、マナーや上下関係などに対して常に意識することができ、社会にでても役立つので、敬語は大事だと思いました。」

以上、14名の心のこもった卒業文集を紹介しました。寮で多くの方の愛情で育ったこと。中学生の本分である勉強の意味が分かったこと。紹介できなかった卓球を始め、3部活動や全校参加の駅伝部を通して、心身ともに成長したこと。
豊根村、豊根中、そして志高寮というすばらしい環境の中で、夢のために活動できたこと、友達や先生、保護者や地域の皆さまと交流できたことが伝わりました。

14人の仲間、そして在校生や先生とすごした三年間を宝物にして、歩む道はそれぞれですが、自分の夢の実現に向けて、一歩一歩進んでいってください。

終わりになりましたが、本日御臨席の皆様、卒業生が、豊かに根ざした村、豊根から未来に羽ばたけるように、これからも温かいご声援をおかけくださるようお願いを申し上げ、あわせて豊根中学校へのますますの御支援・御協力をお願い申し上げ、卒業証書授与式の式辞とさせていただきます。

   令和2年3月3日
             豊根村立豊根中学校長 大谷 知二

2020年10月

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