式 辞
この気もちはなんだろう
中略
新入生の皆さんはご存知のとおり、谷川俊太郎の「春に」の一節です。
皆さんも、そして在校生もこのような気持ちでいる、春のよき日、豊根村長 伊藤実様、豊根村議会議長山下喜代治様を始め、多くの御来賓の皆様、また、新入生の御家族の皆様の御臨席を仰ぎ、ここに平成三十一年度豊根中学校入学式・始業式を挙行することができました。高い席からではございますが、日頃の御支援への感謝と併せ、お礼を申し上げます。ありがとうございます。
さて、先ほど入学認定をされた、七名の新入生の皆さん。豊根中学校への御入学、おめでとうございます。私たち教職員,在校生一同,瞳煌めく皆さんの入学を、心から歓迎いたします。皆さんはこの三月まで、小学校のリーダーとして大活躍していました。
中略
小学校で二言あいさつに取り組んでいたことを卒業式で知ったので、私も真似してみました。とてもよい素晴らしい活動ですね。
いよいよ今日から,豊根中学校の生徒としてスタートしますが、小学校と、何ら違いはありません。小学校で頑張った、このような活動を、ぜひ続けてみてください。豊根小学校の中心となって活躍したそのままの姿を、中学校でも発揮すればよいのです。皆さんならきっと大丈夫。ゆっくりでいいから、一つずつ取り組んでみてください。きっと先輩や先生方が認めてくださいます。
さて、本日は始業式でもあります。二年生の皆さん、三年生の皆さん、進級おめでとうございます。
谷川俊太郎さんの「春」の一節を続けます。
略
心のダムにせきとめられ
略
この気持ちは何だろう
豊根には新豊根ダムや佐久間ダム、そしてダムカレーがあります。そして、中学生の皆さんの心の中にも、大きなダムがあります。
よろこび・かなしみ・いらだち・やすらぎ・あこがれ・いかり。たくさんの気持ちを溜め込んでいます。こういった思春期の複雑な気持ちは、ここにいる中学生の誰もが、心にためていて、そして成長するのです。
さらに言えば、私を含め、ここにいる大人のだれもが中学生の疾風怒濤の3年間に、こんな気持ちをダムにためていたのです。
誰もが必ず通る道。だからこそ、不安にならず、この3年間、例え結果がでなくてもじっと我慢して、努力し続けましょう。3月に卒業した先輩たちのように、きっと花くことと思います。
最後に本校の校訓「自立」についてお話します。3つの生徒像があります。
一つ目は「自ら学ぶ生徒」です。
学ぶにあたっては、「友達と比べて、よろこんだり、悲しんだりするのではなく、強く「なりたい自分」をイメージし、「なりたい自分ノート」に歩みを刻みましょう。すでに、先輩たちは、一人一人がなりたい自分を見つけ始めて、きらきらと輝き始めています。
それから、全員で取り組んだ吹奏楽や、林業体験、「ようこそ先輩」のかわりに、「豊かに根ざす村」で一人一人が本気で取り組む総合的な学習の時間を始めます。
3月に在校生と地域の方々や保護者とで、すでに願いを語り合いました。
この学びのなかで二つ目の「心豊かで礼節をわきまえる生徒」につながる発言がいくつもありました。
コミュニケーションや交流が大切。
あいさつをしたい。
豊かな豊根の自然を守りたい。
ごみ広いをしたい。
きれいな川を守り魚を増やしたい。
お手伝いをがんばる。
どれも、先生や家の人に言われる前に行動したいという気持ちの現われでした。
最後に、
「自ら心身を鍛えるたくましい生徒」
みんなで取り組む駅伝や、3つの運動部。それから希望者参加のスキー部に取り組みましょう。八年前、エグザイルのATSUSHIさんが来校されました。煌きの歌という歌を、皆の先輩方と一緒に作りました。この歌には、豊根中学校生徒が、真面目に取り組む、豊根中学校の良き伝統がうたわれています。皆さん一人ひとりがこのよき伝統を引き継いでいくことを通して煌めいてほしいと願います。
終わりになりましたが,保護者の皆様に一言お祝いを申し上げます。本日はお子様のご入学、誠におめでとうございます。心からお喜び申し上げます。
私たち教職員は大切なお子様を責任もってお預かりします。そして、三年後、一人一人が幸せな笑顔で卒業していく生徒に育つよう、全力を尽くす所存です。
僕が生まれた 優しいふるさと いつでもみんなで
笑顔になれる みんな一人一人が 煌いている
これは煌めきの歌の最後のフレーズです。
子どもの健全な成長には、学校と家庭、さらにこの優しいふるさと豊根の教育活動に一層のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げ、式辞といたします。
平成三十一年四月五日
豊根村立豊根中学校長 大谷 知二