卒業式の朝、在校生や先生たちのあたたかいメッセージや掲示物や花などがいっぱいの校舎に、富山中学校最後の卒業生2人が登校してきました。昭和22年に開校して以来、67回目の卒業式、475人目、456人目の卒業生です。
9時30分、会場の皆様の大きな拍手に祝福されて、きれいな胸花をつけた2人の卒業生が入場しました。
村井校長先生から立派に卒業証書を授与された2人は、両親のもとに近寄り、「これまで支えてくれてありがとう。これからもよろしくお願いします。」と卒業証書を預けました。
そして、村井校長先生がはなむけの言葉を伝えました。
2人ともこれからは、名古屋という大都会で大勢の人たちと学校生活を送ることになりますが、友だちなどとの人間関係を大切にしながら、自分の人生をさらに切り拓いていってください。
2人は、本校の目指す目標のとおり、『人に頼らず、自分で考え、行動する力』言いかえれば『自立していく力』がつきました。これからもさらに、『私はこうなりたい』という自分の目標に向かって努力を続け、新しい学校や社会でも自立していってください。辛いことがあったら、毎日毎日、朝の登校で日本一と言ってもいいほどきつい階段を上ったことを思い出してください。未来に向かってさらに大きく自分の人生を切り拓いていってくれることを期待しています。
そして、もう一つの私の願いがあります。2人は本校で知り合い、共に学んだ仲です。これから先も仲良く交流する友だちであってほしいと思います。
2人の輝かしい未来にエールを贈ります。」
その後、豊根村教育委員会委員長、坂口様からの告示、来賓として、豊根村村長伊藤様、議会議長熊谷様、PTA会長の安井様から、あたたかいご祝辞をいただきました。
次に卒業生の2人が、学校、教育委員会、PTA、郵便局からの記念品を授与されました。
さて、いよいよ「別れのことば」です。これまで、卒業生と在校生に分かれて、言葉を大きな声で心をこめてはっきりと伝えられるように、歌をきれいな声で気持ちをこめて歌えるように練習してきました。お互いに聴きあうのはこの日が初めてです。お互いの顔を見ながら、落ち着いて言葉が言えたし、歌もとてもきれいに響いていて、これまでで一番上手に歌えたかと思うぐらいでした。感動のあまり涙ぐむ姿も見られました。
別れことばの中で、K子さんは、「富山で3年間生活し、努力すればできるようになることを強く感じました。コミュニケーションを積極的にとれるようになったことが私の一番の成長でした。子ども村活動で大切にした報告・連絡・相談をこれからも続けていきたいです。」と、S子さんは、「富山へ来て、ポジティブな自分になり、学校に行くことが毎日の楽しみになりました。3年生になって、リーダーシップの大切さを強く感じ、最上級生としての自覚をもって色々な行事に取り組むことができました。」と、富山での自分の成長を語りました。
そして、在校生、職員、来賓の方々へのお礼の言葉を述べました。最後にご両親へ。K子さんは、「私が辛い時、励まし、見守ってくれたことに感謝します。これからもお世話になりますがよろしくお願いします。」と、S子さんは、「毎日欠かさず手紙を書いてくれてありがとう。私のやりたいことを応援してくれ
てありがとう。一緒に笑ったり泣いたりしてくれてありがとう。」と感謝の気持ちを伝えました。
心のこもったすばらしい別れのことば(答辞)でした。
最後に卒業生が、親から受け取った卒業証書を胸に、再び大きな拍手の中を退場して、富山中学校最後の卒業式が幕をとじました。口々に「よい卒業式だったね。」との感想をたくさんいただきました。
グラウンドに出て集合写真を撮った後、卒業生が参加者全員でつくった花道を、あいさつを交わしながら通って行きました。
仲の良かった友達や地域の方や先生たちと握手をしたり、抱き合ったり、感極まって涙を流したりする場面もありました。親に向かってもきちんとお礼が言え、卒業生のお父さんが娘を抱き上げるほほえましい姿も見られました。
卒業生との別れは寂しいですが、2人のこれまでのがんばりをたたえ、今後の活躍を期待して、これからもずっと応援していきます。
K子さん、S子さん、そしてご家族のみなさん、本当におめでとうございます!
a