12月4日に3・4年複式算数の研究授業がありました。
本校の3・4年は、3年生3人、4年生1人の複式学級です。担任は、教職3年目の若手教員です。
本時の題材と目標は、次のとおりでした。
3年:1けたをかけるかけ算の筆算
目標:(何十・何百)×(1位数)のかけ算を、10や100を単位として考えることができる。
4年:もとの数はいくつ
目標:問題文を図に整理し、「順にもどして」考える思考法で解決することができる。
担任は、2学年分の教材研究をして授業に臨み、全力投球で複式の授業をしていました。
直接指導と間接指導の切り替え、わたりの難しさを感じながらも、複式算数の指導法について学び、教務主任の指導を素直に受け入れながら、授業の充実と改善に前向きに取り組んできた成果が、随所に表れていました。
若い教員の成長を見るのは、うれしいものです。本時にも、子どもの思考の流れや傾向を予測した支援の具体的手だての用意、両学年の子が常に視野に入る立ち位置、子どもに寄り添い語りかけるとき低い姿勢、タイミングよく褒める温かい言葉がけなど、担任の指導のよさがたくさんありました。
また、子どもも全員熱心に学習していました。3年生は自分の考えを友達に分かりやすく説明しようと一生懸命でした。
「10×3=30になります。10円玉が3個ということだから、30円になるでしょ。分かる?」
一緒に学ぼうという意欲と優しさが伝わってきます。友達はうなづいて、顔がぱっと明るくなりました。もう1人の子が、意見を付け足しました。
「僕も同じで、式は10×3で、10は、10円のあめの10円、3は、3個買ったから3ということです。」
共に学び合う姿がありました。とても微笑ましく思えました。1学期と比べ、自分たちで話し合って解決する力がぐんと伸びてきました。
4年生もがんばっていました。黙々と問題を解き、黒板に書き、きちんと先生に説明していました。
説明する中で自分で間違いに気付き、「ああ、間違っている。直さなきゃ。」とつぶやき、正しく直すこともできていました。自力解決し、順序よく分かりやすく説明する学びの姿は、参観者を感心させました。
4年生のUさんの「1人でもがんばる!先生と一緒に伸びていこう!」という真っ直ぐな気持ちが伝わってくるひたむきな学習姿勢に、いつものことながら胸が熱くなりました。
今日の授業は、子どもも担任も、じっくり考えている授業、成長を感じる授業で、参観していて気持ちのよい授業でした。真剣さは見る人の心を打ちます。
現職研修の研究協議でも、担任と子どものがんばりやよさを認める意見が多く出されました。
解き終えて「できました」と言った子どもへのよりよい対応や、子どもが自分たちで学習のまとめをして達成感を抱くことができるような支援の工夫、効果的で適切なわたりのあり方など、複式の授業の本質に迫る授業の質の向上につながる、建設的な協議がなされました。
まだまだ課題はありますが、日々真摯に授業に取り組んでいる担任と素直で前向きな子どもたちですので、今後のさらなる成長に期待したいと思います。
これからも共に力を合わせて山登りをするように、「複式算数という険しくも景色のよい授業の山」を登っていくことでしょう。