5・6年理科校外学習 ブナ植樹体験                                              大木に育てと願って 千年の森づくり

2月28日(火)の午後、5・6年生10人は、理科の校外学習として、ブナの植樹を体験しました。

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この活動では、加藤博俊さんに大変お世話になっています。加藤さんは、愛知県文化財保護指導委員をされていますが、他にもいろいろなお立場で、様々な分野でご活躍されています。

本校のふれあい会の講師もしてくださっており、もう何年も子どもたちに郷土の自然や歴史などの話をしてくださっています。ですから、子どもたちは、もちろん、加藤さんのことをよく知っています。加藤さんは、子どもたちのために、いつも分かりやすく大変ためになる話をしてくださいます。

今日も、ふるさと奥三河の自然のすばらしさや、絶滅の危機にあるブナを守る活動について教えてくださり、自分の手でブナの苗木を実際に植えるという貴重な体験をさせてくださいました。

この奥三河では、約50年前までは、ブナは元気でした。段戸裏谷の原生林には、ブナの大木が茂っていました。冬の寒さの厳しい段戸では、雪がとけ、春になると、いろいろな生物が、一気に躍動します。どっしりと構えるブナは、他の樹木が水を吸ってから、悠然と水を吸い上げました。そして、葉を大きく広げ、きらきらと輝きました。ブナは、段戸の森の誇りでした。

(私は、子どもの頃、そう、今の5・6年生と同じ年の頃、学校から帰ると、よくこの森で遊んだものです。段戸のブナの森は、神秘の宝庫でした。……すみません。ブログライターの独り言です。)

段戸の森の象徴でもあったブナですが、その後、温暖化や酸性雨、虫や若芽を食べる獣などの害等によって、弱り、枯れ始め、今では、実生の苗は育たなくなり、立木も危機的状況になっています。

そんな状況下、加藤さんは、行動を起こされたのです。ブナを守り、育てることを、ライフワークとして始められました。加藤さんは、強い意志と大きな夢をもたれ、ブナの守り人として、千年の森づくりをされています。到底真似のできないことです。尊いことです。

今日、子どもたちは、加藤さん所有のブナの圃場、千年の森で、加藤さんとお仲間の方からご指導いただきながら、ブナの苗木を一人一本植えさせていただきました。

一生懸命穴を掘り、大きくなあれと願いながら、心を込めて植えました。

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苗も標柱も道具も、全て、加藤さんとご家族やお仲間の方が準備してくださいました。安全に活動できるように歩道を整備してくださり、植えやすいように場所も整えてくださってありました。本当によくしていただき、感謝申し上げます。

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6年生は、昨年度もブナの植樹体験をさせていただいたので、ちょうど1年前に植えた木と、今日、再会をしました。胸の高さほどだった苗木は、背をずっと越え、とても大きくなっていました。

特に、Yさんは、自分が植えた木の成長に大喜びでした。自分の手で植えた木に久しぶりに対面して、その成長を目の当たりにし、木がより一層かわいくなったようです。写真がないのが残念です。

さて、次の写真は、何をしているのでしょうか。

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カエデの樹液を採取しているのです。加藤さんのご厚意でカエデの樹液を飲ませていただきました。ドリルで幹に穴を開けると、驚くほどたくさんの樹液が出ました。みんな、「おいしかった。甘かった。」と言っていました。引率した担任によると、「ほのかに木の香りがしました。」とのことです。

樹液は、木からの贈り物、自然の恵みなんですね。山の中で、それをいただけるなんて、最高に幸せです。笑顔いっぱいの至福のときでした。6年生にとっては、これも小学校生活のよい思い出になりました。

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加藤さんのおかげで、子どもたちの心に、ブナを大切に思う心、自然を大事に思う心、そして、ふるさとっていいなと思う気持ちが芽吹きました。

加藤さん、関係の皆さん、ありがとうございました。

子どもたちが植えたブナが、いつの日にか、段戸裏谷原生林のあのブナのようになりますように……。

2024年3月

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