心を揺さぶられる ふれあい読み聞かせ会                                                              本年度も 何度も ありがとうございました

2月15日(水)、本年度、最終のふれあい会活動がありました。今日も、3人の地域の方が、ご多用の中、ご参加くださいました。

今回は、3人の方とも、読み聞かせをしてくださいました。それぞれの方から、胸がきゅっと締め付けられるような感動的なお話を聞かせていただきました。

1・2年生には、今泉さんが、絵本『ホタルの川』を読んでくださいました。

このお話には、二人の男の子が登場します。「冬にホタルを見たことがある。」と言った男の子と、その話を信じられない男の子は、仲たがいをし、二人の大切な日を台なしにしてしまいそうになります。ホタルを見たという男の子が、ホタルのいた場所を探してきて、二人は一緒に見に行きます。そして、最後には、二人はまた仲良しになります。

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1・2年生は、本当に冬にホタルがいるのか、興味津々、今泉さんの語りに引き込まれ、本の世界に入っていきました。けんかをした二人の主人公のことも、どうなってしまうのかと心配していました。けれども、二人は仲直りして、ハッピーエンド。1・2年生も、ほっとした様子で、にっこりとしていました。

はたして、冬にホタルはいるのでしょうか。主人公の二人は、ホタルを見つけたのでしょうか。みなさんも、この絵本をお読みになられてはいかがでしょうか。

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3・4年生には、夏目さんが、絵本『小学生のボクは、鬼のようなお母さんにナスビを売らされました』を読んでくださいました。

長く、衝撃的な題名の絵本です。絵本といっても、一般的な絵本とは異なり、絵も白黒で暗くて、少し怖い感じです。読む前から、どんな本かなと、ひき付けられます。

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このお話は、実話を基にしています。こんなストーリーです。10歳の主人公「ボク」は、厳しいお母さん(母)にナスビを売り行かされます。売れないと、お母さんは、ボクを怒鳴りつけ、叱ります。ボクは、お母さんの言うとおりに声を張り上げて売り歩きます。すると、次第にナスビが売れるようになり、「ボク」は楽しくなります。けれども、ある日、母は倒れ、入院します。それから4年後、母は亡くなります。白血病でした。

そして、この絵本は、こんな言葉で締めくくられています。

「今、大人になったボクは、まだまだ駄目な所もありますが、子供のころにナスビを売った事があるので、どんなしんどい事も平気です。お母さんが天国から見ていてくれるから、どんな苦しい事も平気です。そして、今ボクは、ナスビが大好きです。」

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3・4年生の3人は、読んでくださる夏目さんが手にされている絵本をじっと見つめながら、瞬き一つせず、聞き入っていました。胸がぎゅっと締め付けられたに違いありません。

夏目さんから、3人は、今、生きていることのありがたさ、家族への感謝、そして、苦しみに負けずに生き抜くことの大切さを教えていただきました。

子どもに生きる力をつけた母親の深い愛情に、本当に胸を打たれます。涙なくしては、読めない、聞けないお話です。自分でページを繰ってじっくりと読みたい絵本です。母のことを思いながら……。

5・6年生には、赤石さんが、紙芝居で『安寿とずし王』を聞かせてくださいました。

このお話の原作は、森鴎外の『山椒大夫』です。悲劇的な作品で、せつなさを感じる一方、権力者の横暴に強い憤りを感じる作品です。

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今回は、この近代文学の名作を、赤石さんが、紙芝居で5・6年生にも分かりやすくお話してくださいました。

どの学年の子もそうですが、赤石さんに読んでいただいている間、5・6年生も、全員、真剣な表情で聞いていました。誰一人として、紙芝居から目を離しませんでした。

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聞かせていただいた後、感想を赤石さんや友達に伝えました。

「安寿は、自分の命をかけて、弟のずし王を守って、本当に優しいお姉さんだと思いました。最後に、ずし王がお母さんと会えたのは、よかったけれど、とても悲しい話だと思いました。」

「山椒大夫は、他の人を奴隷のように扱って、人間として、許せません。」

みんな、進んで手を挙げ、感想を言い合いました。5・6年生の感想を聞き、自分の命を犠牲にして弟のずし王を守った姉、安寿、その献身的な行動と愛に心を揺さぶられたことがよく伝わってきました。

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3人のふれあい会員の方が読んでくださったお話は、どれも感動的で、今回もまた、よいお話を紹介していただきました。子どもたちは、深く頭を下げ、心を込めてお礼を言いました。

本年度、5月からこれまで、12回のふれあい会を行い、10人の会員の方に、37のお話を聞かせていただきました。子どもたちの成長の糧になるお話ばかりでした。

子どもたちのために活動してくださいましたふれあい会員の皆様に、心よりお礼申し上げます。来年度もどうぞよろしくお願いいたします。

2024年3月

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