12月9日(水)、本校を会場にして、設楽町現職教育研究協議会低学年部会の合同授業研究会が行われました。低学年複式算数科の授業を参観して、指導法について学び合い、授業力向上を図ろうということで開催しました。ご多用の中、町内各小・中学校から、12人の先生方が来てくださいました。本校職員も一緒に勉強させていただきました。
授業は、複式学級1・2年(1年2人、2年2人)の算数科の授業。授業者は、担任のN教諭。
○単元
1年 かたちづくり
2年 三角形と四角形
今日の授業を一言で言うと、「子どもも、担任も、みんな、輝いていた授業」でした。
大勢の先生方がいらしゃったのですが、みなさん、温かな目で子どもたちを見てくださったので、1・2年生の4人は、安心して普段どおりに授業ができました。
子どもたちは、4人とも、一生懸命、考えたり、操作したり、意見を言ったりして、45分間学びに集中し、とても楽しそうに学習していました。
感心なことに、1・2年生とも、先生が他学年の指導をしているときに、自分で、または、二人で、しっかりと学習できていました。自分をもって学んでいる自立した姿がありました。両学年とも、1学期と比べ、ずいぶん成長しました。
授業の写真をアップします。子どもと担任の表情からも、充実した授業、みんなが輝いていた授業であったことを感じていただけると思います。
担任の授業力、授業づくりへの努力については、参観してくださった先生方から、賞賛と「勉強になった」という嬉しいお言葉をたくさんいただきました。
省略しての掲載で失礼をいたしますが、研究協議でのご意見の一部をご紹介します。
○ヒントのタイミング、支援のタイミング、先生の登場のタイミングが、絶妙である。
○一言二言、声をかけて、もう一方の学年に行くなど、要所要所での声かけが上手である。
○授業の計画、準備を周到にされていて、すばらしい。
○ホワイトボードを活用して説明を提示するなどの工夫が、とても参考になった。
○つまずきを想定しての準備がすばらしく、子どもたちが自分でクリアしていけるようにしている。
○発展の次の発展の課題まで用意してあって、見通しをもって考えていて、すばらしい。
○二人ずつなのに、挙手をしての発言など、きちんとさせていて、見習いたい。
○机の上の整頓や聞く姿勢のことなど、丁寧な細やかな指導をしている。
○黒板の向き(机の向き)が工夫されていて、集中して学習できるように配慮している。
○一人で学ぶ時間、かかわり合って学ぶ時間、先生と学ぶ時間が、上手に分けられていて、子ども自身も、今は何をするときかということを分かっている。先生の指導で子どもがよく育っている。
また、今後の授業づくりの参考になるありがたいご助言もいただきました。
○今日の授業での2年生の一人学びでのスタートには、学習の自立と学習能力の高さを感じた。一人学びの力やかかわり合う力は、複式学級だけでなく、単式学級においても重要である。学ぼうとする意欲を育てたい。授業の裏の部分が大事であり、2学年分の準備をしっかりとされたことに、本当に頭が下がる。気づきのよさを、間接指導のときに見逃さないようにすることが、課題ではないだろうか。
○学ぶことの多い授業であった。複式指導のコツをつかむいろいろなことがあった。周到な準備をされていてすばらしいが、タブレットや電子黒板を活用するなどして、効率的に楽しい授業をするような工夫もするとよい。複式の中でこそ育つ力や、それぞれの学年で学ぶことを大事にしながら、授業をしていきたい。北設楽郡へき地教育研究協議会では、来年度から複式教育研究委員会を発足させる計画が進んでいる。積極的に複式教育の研究にかかわっていただきたい。
担任の言葉を一言……。
「子どもたちが、本当によくがんばった。日常の授業の準備を大事にするようにしている。複式の授業をするようになってから、子どもの様子をキャッチするアンテナが高くなったように思う。」
子どもが帰ってから、担任は、子どもが、「できた!」とガッツポーズをしている写真を見て、とても喜んでいました。一途に子どもを思う担任だからこそ、今日の授業ができたのだと思います。
下の写真は、昨日の授業の写真です。
2年生は、先生が1年生のところにいるとき、落ち着いて二人で学習しています。
1年生も、先生が2年生と授業を進めているとき、きちんと二人で学習しています。
日々の授業を大切にしてきた担任の努力と、子どもたちのがんばりが、この授業風景にもいっぱい詰まっています。今日の授業は、これまでの研鑽の集大成と思える、素敵な授業でした。昨日までのひたむきな授業が、今日の授業につながっているのですね。
職員は、みんな、子どもや担任に、「とってもよかったよ。がんばったね。」「授業を見せてくれて、ありがとう。」などと言っていました。
明日からも、授業は続きます。本校は、複式の学校です。子どもも教師も、複式の授業を楽しみ、誇りに思うくらいになるよう、授業を大事にしていきます。