10月14日(水)、今日の朝の活動は、ふれあい会でした。
1~4年生には、赤石さんが、宮沢賢治の『チュウリップの幻術』を読んでくださいました。
このお話は、賢治の隠れた名作と言われている作品で、賢治特有の幻想的な世界が描かれています。
洋傘直しと園丁が、小さな白いチュウリップから湧き上がる光の酒に酩酊して見た春の幻想。
低学年には、理解するのが少し難しかったかもしれませんが、赤石さんの温かな語りでファンタジックなお話の世界に誘っていただけました。
絵がとってもすてきで、お話を聞くだけでなく、見ても楽しめる本でした。
赤石さんは、今日の読み聞かせのために、子どもたちのために、わざわざ新城の図書館に出向かれて、この本を借りてきてくださいました。
「絵がとてもきれいでしょ。またよい本を借りてきますね。」とおっしゃっておられました。
5・6年生には、松井さんが「二人の友の想い出」と題して、戦争中、戦後間もない頃の少年時代のお話をしてくださいました。
内容は、修学旅行に行けなかったというお話と、友達に心ないことを言ってしまったことを今も後悔しているというお話でした。子どもたちは、松井さんをまっすぐに見つめて聞いていました。
松井さんの学年は、清嶺小学校(旧清崎小学校)で、唯一、修学旅行に行くことができなかった学年だということでした。
「おじいちゃんたちが子どもの頃は、どこの家も貧乏で、お米も満足に食べられなかったんだよ。」
当時は、戦後の生活の大変厳しい時代で、ほとんどの家は貧しく、修学旅行に持っていく米やお金を用意できない家庭もあり、「修学旅行に行けない子がいるなら、今年はとりやめよう。」ということになったのだそうです。
「悲しかったけれど、行けない子を出すよりも、みんなでやめてよかったと思ったね。」
本校の5・6年生は、今月21日から修学旅行に行きます。松井さんの修学旅行に行けなかったというお話は、タイムリーで、胸にぐっときたようです。
5・6年生の8人は、松井さんから大切なことを学び、きっと幸せをかみしめながら修学旅行に行って来ることでしょう。
すてきな絵本を紹介してくださった赤石さんと、心にしみるお話をしてくださった松井さんに、感謝申し上げます。ありがとうございました。